移動通告

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「ま、実力の違いだ。  こう差があるとな。」  教官室でコーチに言われて、なつみは何も言えなかった。6月の夕方の冷えが、急にしみてきた。  三鷹野(みたかの)高校女子バレーボール部には、チームが3チームある。ランク別に上から A、B、C だ。  A チームは部活推薦で入学した選手が切磋琢磨する、プロの卵集団。 B チームは体力作りと青春のエネルギー発散のため………ま、いわば普通の部活にあたるチームで、 C チームはベンチ未満、野球でいうなら二軍だ。  一年生のなつみは B チームに所属していた。  生来の回転の速さも手伝って、コーチや皆からいいムードメーカーだと言われていた。  だから………自分は B チームに必須の存在だと思っていた。ミスもご愛嬌、チームメイトに優越感を与えるネタになる。間違っても C チームに落とされることはないと、タカをくくっていた。  甘えだった。  この日、部活終わりに体育教官室に寄るように言われ、戦力外通告されてしまった。
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