好きな人

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 完全に女の子へと変貌した叶芽の姿を百合華はパシャパシャとスマホで写真を撮りまくる。 「いいわね、キレイだわ!!流石私の甥」  百合華はスマホでいくらか写真を撮るが納得いかない表情をする。 「ダメだわ。ちょっと一眼レフ持って来て頂戴!!」 「かしこまりました」  百合華は本格的に撮りたくなったらしい。  どうせなら後日カメラマンに来てもらおうかなんて言い出したから叶芽は慌てて断る。 「流石にそこまでは嫌だよ。 一応俺男だからね?」 「あら、美しさに性別なんて関係ないわ」 「いやそう言う事じゃなくて………」  カメラマンを呼ぶのは諦めてはくれたがらその代わり百合華の撮影会は止まらなかった。  この後他の衣装に着替えさせられ、メイクも服に合わせて変えられたりと、いつの間にか日が暮れていた。 「あらもうこんな時間? まだまだやり足りないのに……… カナメちゃん、また今度他の服も着てくれる?」 「え、まだあるの!?」 「勿論よ」  まさか百合華がこんな趣味を持っているとは知らなかったので、叶芽はげんなりする。 「もう遅いし、うちでご飯食べてく?」 「あ〜うん……」  どうせなら夕食も一緒に食べたいと百合華は久々の甥との食事に嬉しそうだ。  叶芽も彼女との食事は楽しみだったが、彼女の一言に叶芽は緊張する。 「カナメちゃんの彼氏とやらを色々聞かなきゃね」  百合華は叶芽の彼氏の事を知っている。  だからこそ今どうなっているのか、将来の事など色々知っておきたいと彼女は思っている。    家に電話して、今日は百合華と食事をする事を伝え、夕食の為席に着く。  今日は叶芽がいるとあって、肉料理が並んだ。 「……なんか量多くない?」 「成長期の男の子が何言ってるの。 沢山食べなさい」  親戚のおばちゃんは何でも沢山食べさせたがる。  叶芽もいらないなんて言えないので、いただきますとフォークとナイフを手に持つ。  因みに百合華の皿は叶芽よりも少ない。  それを指摘すると、私胃が小さいからなどと言われた。  そんな話は初耳だ。  多分ダイエットでもしてるんだろうと考える。  人には食べろと言うくせに………  
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