Ωの存在

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 百瀬のコミュニケーションは渚も少し疑問に思っている。  叶芽に対しても思った事をストレートに言い過ぎると言うか、遠慮を知らないと言うか………  それも家庭に問題を抱えて、且つΩであるからあまり人との関わり方が分からないせいなのかと考えている。 「ごめん、唯人の気持ちも分かるけど、あの子Ωで色々嫌な思いとかしてるからさ、許してあげて」 「………」  不満気な唯人を宥めて渚は少し外に出て叶芽に電話をした。 「カナちゃん今日はホントごめん。 こんなはずじゃ無かったんだけど……」 『大丈夫。今度またゆっくり会お』 「ありがと。今度はちゃんと二人で会えるようにするから……」  一頻り話した所で、おやすみと電話を切った。  しかし百瀬がうちに泊まる事は話さなかった。  と言うか言えなかったと言うべきか……     罪悪感はあるが、取り敢えず百瀬の所へ向かう。 「あのさ、うちの弟馬鹿だけどΩだからって何もしないから安心して」  一応やんわりと仲良くしてほしいと告げると小声でうんと頷いた。   「ありがと。じゃあおやすみ」 「おやすみ……」  そう言って渚は末っ子、瑠樹のベッドで一緒に寝る。  瑠樹の大きさは渚にとって抱き枕に丁度良くて、脚と腕を乗せたら重いと振り払われてしまった。  でも誰かの体温を感じて眠るのは案外心地良く、それは瑠樹も同じようでいつの間にか渚の胸に顔を埋めて眠っていたのだった。    翌日目を覚ますと、渚は瑠樹を抱き締めて眠っていたようで、渚の重さでう〜んと唸りながらモゴモゴしていて慌てて離れる。  危うく可愛い弟を潰してしまう所だった。危ない危ない。  渚は寝ている瑠樹を起こさないようそっとベッドから出ると、百瀬の様子を見に行く。  すると物音に気付いたのか百瀬が上半身を起こす。 「あ、起きてた?」 「うん………」 「眠れた?」 「うん………」  それは良かったと渚は百瀬を歯磨きと顔を洗う為洗面所へ連れて行く。 「うち家族多いからあいつら起きる前にしといた方が渋滞しないから」  朝は戦争だ。  皆やる事が一緒だから洗面所もトイレも渋滞して、毎日早くてやら、まだかなど騒がしい。  
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