嘘から始まる二人の話

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 さてと。告白すると決めたはいいものの。 「今日は帰りに寄りたい所があるから、一人で帰るね」  そう言うと友里はそそくさと一人で帰って行く。どうしろっていうんだ、この避けられようは。告白するにしても顔も見てくれない。やっぱり聞いてたんだよな。で、困ってるんだよな。 「盛大にフラれますか」  その日の夕方、涼介は友里にLINEをした。友里の家の近くにある公園で会いたい、来るまで待っている。すぐ既読がついた。しかし、返事は来なかった。 「あーヤバイ。凄い緊張するわ」  ドキドキと速まる心臓。微かに震える手。気合いを入れるために、自分の頬をぱんっと叩く。  公園に着いたがそこに友里の姿はない。返事が来なかったことから、先には来ていないだろうと思っていた。想定内だ。涼介はベンチに座ると、LINEの画面を見つめた。  どう思ったかな。告白だってバレバレだったかな。俺が怖いように、友里も怖いよな。だってフッたら友達じゃなくなるかもしれないから。大丈夫。フラれても友里が嫌じゃなければ、友達でいるから。その覚悟も出来てるから。  
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