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辺りが暗くなってきた。秋の夜は思っているよりも早い。時計を見れば一時間半が経っていた。来てくれないのかな。このまま気まずくなるのだけは嫌だな。
「あ、雨だ」
ポツポツと雨が降り始めた。涼介は悩んだ。傘を買いに行きたいが、その間に友里が来るかもしれない。公園の中に雨をしのげるところなど、なかった。次第に雨は強くなって、髪の毛も服も濡れていた。
ああ、なんか泣きたくなってきた。告白しようとしてるのに、こんな雨って。神様、酷くないですか?
「くしゅっ」
「え?」
今、なんかくしゃみみたいな声が。まさか。涼介は走って公園の入り口に行くと、そこには雨で濡れた友里が立っていた。
「友里?なんでこんな所で、しかも傘持ってないし」
「だって傘取りに行ってる間に、涼介が帰っちゃうかもと思って」
「来るまで待ってるって、言ったよね?とりあえず家行こう」
「え?」
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