嘘から始まる二人の話

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 涼介は友里の手をとると、歩き始めた。着いたのは涼介の家だ。鍵を開けて中へ入るが、誰も出てこない。 「冷てぇ。今、タオル。それより風呂の方が温まるか」 「え?いい、いい。タオルで大丈夫」 「そっか。すぐ持ってくる」  涼介は急いでバスタオルを持つと、玄関で待つ友里の元へ急いだ。 「服貸すから、中入って」 「お、お邪魔します」  友里はショートブーツを脱ぐと、濡れた足を丁寧に拭いて涼介の後に着いていく。向かったのは、二階にある涼介の部屋だ。 「これ、使って」  黒のパーカーとデニムを渡すと、ドライヤーを取りに洗面所に向かう。それを持って部屋に行くと、部屋のドアを軽く叩く。 「友里。入ってもいい?」  
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