嘘から始まる二人の話

22/26
12人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
「あの、最近……あ、分かってるよね?変な態度取ってごめんね。ちょっと考えたいことがあって、一人になりたくて」  考えたいこと、あのことか。 「俺の方こそごめん。俺のこと避けてたのは、俺が言った言葉のせいだよな。聞いたとおりだよ。俺、友里が好きだ。ずっと高校の時から、好きなんだ」 「え?涼介が私のことを?だって山本くんは?」  涼介はバツが悪そうに、額を触る。 「それは嘘なんだ。俺が男の人好きだっていうの、友里と仲良くなりたくてついた嘘なんだ。騙してごめん」 「嘘……」  友里はそう呟くと、俯いたまま何も言わなくなった。涼介はもうすべて伝えようと思った。 「友里が俺のこと、男として見てないのは分かってる。告白したのは友里に気持ちがバレたと思ったからていうのもあるし、いいかげん片想いにケリつけなきゃとも思ったから。でも全然フッてくれていいから。それでも俺、全然友里が嫌じゃなければ友達でいるしさ」
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!