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「今の関係が壊れる方が怖いんだよ」
そう言って涼介は悲しそうに笑った。涼介は男の人が好きだ。高校の時から山本くんに恋してる。普通に仲良くて友達みたいだけど、実は片想い中なんだ。
「恋とか私にはよく分からないな」
「気付いたら落ちてるもんなんだよ、恋って」
そう話す涼介は片想いでも楽しそうだ。好きな人がいるというだけで、世界が違って見えるらしい。どう違って見えるのかな?何が変わるのかな?興味はある。でも男の人のこと、よく思えないのだから仕方がない。
「私は一生一人でいいや」
「それこそ辛すぎるから。俺といればいいよ。俺も一人だからさ。一人者同士仲良く老後も過ごそうよ」
それもいいねと友里は笑った。それなら老後も寂しくないし、むしろ楽しそうだ。涼介は恋愛対象が男の人だから。だから一緒にいても嫌じゃない。優しいし気が利くし格好よいし。実際モテるけど告白してくるのは、女の人だから断るのは仕方ない。
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