嘘から始まる二人の話

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「女子会?」  同じクラスの女子生徒三人に、飲み会に誘われたのは金曜日のこと。 「ずっと岡本さん誘いたかったんだけど、いつも進藤くんといるから、なかなか声かけられなくて。でも話したいなってずっと思ってて、ね?」 「ありがとう。いいよ、行く」  それを聞いて三人は嬉しそうに笑った。集合時間と店の名前を聞くと、忘れないように手帳にメモをする。 「じゃあ、また後でね」 「うん」  嬉しかった。女の友達が欲しいと思っていたから。大学に入ってすぐ友達は出来た。しかし涼介も一緒にいるようになると、その子は涼介に恋をした。そして涼介と仲の良い友里のことを、疎ましく思うようになっていった。 『友里は何も分かっていない』  そう言ってその子は友里の元から離れていった。何を分かっていないのか、友里にはその言葉の意味が分からなかった。それからも近寄ってくるのは、涼介目当ての子ばかりで。  
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