12人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺と付き合ってくれない?」
「ごめんなさい」
「やっぱり進藤と付き合ってんの?」
その問いに友里は首を横に振る。その場から逃げるように駆け足で教室へと向かった。私服の学生達が楽しそうに話をする中、友里はきょろきょろと辺りを探す。
「まだ来てないのかな」
「誰が?」
「わっ。びっくりしたぁ。急に後ろにいないでよね」
ごめん、ごめんと笑うのは、同じ大学に通う進藤涼介だ。茶色の髪の毛はツーブロックに緩くパーマをがかかり、白い肌に高い鼻、大きめのグレーの薄手のニットにデニム。相変わらず今日も格好良い。
「呼び出しは告白だった?」
「うん」
「本当モテるね、友里は。でもみんな知らないから仕方ないか。友里が大の男嫌いだってこと」
最初のコメントを投稿しよう!