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「──プリーン、ごめんな!」
俺はそういって角度の浅い曲がり角を曲がっていった。
「待っててね、エリザベート!」
エリザベートはこの先にいるはず。エリザベートはとっても偉いお家の方で家から出させてもらえないらしい。それも仕事のせいだろうけど。それでも事実上は拘束しているよな。だから俺はエリザベートを救いに行くことにした。
エリザベートのお家はこの道の行き止まりにある。もう見えてきている。流石に大きい屋敷だ。どこまでが歩道でどこからが家が分からない。
「よし、着いた。もう少しだけ待っていろよ!エリザベート!」
「はあはあ。ようやく見えてきたわ、やっぱり遠いわね」
私の足の速さではこんな短い距離でもものすごく長く感じる。
とっても長くて歩いても歩いても近づかない。むしろ離れてる気がしている。
私はクォーツに大事なことを秘密にしている。けどあっちが聞いてこないんだもん。悪くないよね。クォーツは何を秘密にしているのかしら?そういえば最近クォーツが戻ってきたときに少し汗が見えるわね。疲れた汗じゃなくて……。背筋がゾクってするような汗。分かる?
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