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「エリザベート!」
ベンチに座って本を読んでいるあの人がエリザベートだ。
「わ、クォーツさん!昨日ぶりですね」
「そろそろさん付けはやめてもいいんだぞ?」
「いえいえ、皆さんに失礼があってもいけないので」
くっ、楽しい。やっぱりいい人だ。早いところもっとエリザベートと一緒にいられるように頑張ろ!
「あの、今日は外に行かないかい?」
「え?それはダメってお母様から……」
「いいから」
「でも……」
俺はエリザベートのお母さんの言いつけのせいで外に連れ出すことに失敗した。無闇に連れ出してそれを秘書とかメイドに見られたら厄介だ。もう二度と会えなくなるかも知れない。というか既に親の目が厳しいような、不安に包まれたような目をしてこっちを見ている。
これはまた出くわしちまいそうだ……。
「よし、ようやく着いたわよ。待っててね、えっちゃん!」
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