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「プリンよ、もう行かなきゃならない。すまない。また戻ってくる」
「私もよ、クォーツ。あなたとまた会える日を楽しみにしてるわ」
「じゃあな」
「じゃあね」
彼らは別れた。その運命として生まれてきたのだ。
もう悔いはない。また会える日が来るのだから。
クォーツが一つ目の角を曲がると少し先に曲がり角が見えた。
あそこを曲がったらプリンと会えるだろうか。会えたとしてもごくわずかな時間にしかならないのだろうが。
今は俺たちの距離はどんどん遠ざかっていくがそのうち会えるよ。
俺たちはそういう運命なんだ。誰かが決めたことだ。仕方ない。でなければ私たちの出番は完全に消え失せてしまう。私たちが誰かの目に触れることもなくなる。もし触れたとしてもそれは別の世界。パラレルワールドなのだから。
誰かは私たちを一緒だと思っていても身体能力や出番の長さはそれぞれ。そんな中で私たちを別だと気づいてくれるのは一握り、いや1人もいないかも知れない。
次の角を曲がるとそこにプリンの姿はなかった。
「プリーン──!」
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