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「それで?話ってなんだったの?」
場所をスホの部屋に移動させ、再び話が始まる。
スホには色々とリーダーのお仕事があるので、特別に一人部屋。二人部屋で寝ているユノにとっては、正直とても羨ましい。とはいっても、ユノは週の半分くらいは曲作りもあってスホの部屋に入り浸っているので、スホが一人部屋を完全に満喫できているとも思わないけれど。
「めちゃくちゃざっくり言うと、『BL営業』を頼まれたんです、ユノとの」
大事な話をするときスホに対して敬語を使うのは、恐らくメンバー共通の癖。普段はため口だけれど、大事な話のときのスホは、人生3回目みたいな、到底追いつけないような威厳と責任感を醸し出しているから、そのせいかもしれない。
「……BL営業、って、二人が恋人の演技するってこと?」
「はい」
ジュウォンの返事を聞いたスホの目がわざとらしく潤んでいく。
「やだ!そしたらもう俺と二人ともハグしたりできないんでしょ!」
「……俺たちがヒョンのハグを受け入れたことが一回でもあったっけ」
「確かにそれはそうです……」
スホが、特に色々言わずすぐに冗談に入るってことは、そこまでは問題はないんだろう。
少し緊張していたユノは、短い息を吐いた。
「まあ、急にやりすぎるとおかしいし、ほどほどにね。それに、ジュウォンとユノ以外のケミが好きな人もいるから、気にしすぎなくていいと思うよ。ジェラシーのふりぐらいはしてもいいと思うけど、気を負いすぎないで」
そう言ってウインクをかますスホに、ユノはジュウォンと二人、ゲッという顔をしてみせたけれど、実際は嬉しく思っていた。
そう。大事なときにはしっかり頼れる人だから、いじられキャラであっても、グループの大黒柱である、リーダーという役職を務めていられるのだ。
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