47人が本棚に入れています
本棚に追加
とりあえず他のメンバーには言わないでおこうかな、顔によく出る子もいるし、と言っていたスホに二人は大人しく従う頷く。必要があればそのときに言おう、ということらしい。
ジュウォンはそのまま「とりま俺は二度寝してくる」とかなんとか言ってスホの部屋の隣の自室に倒れ込んだので、ユノはリビングを通り、一人で自分の部屋に向かった。
するとキッチンに、さっきまではいなかった顔が一つ。
「ホジュン、おはよう」
声をかけると、トーストに大量のチーズを一生懸命乗せていたホジュンがユノの方を振り返り、驚いた顔をした。
「嘘、ユノヒョンどうしたんですか? 徹夜明け?」
「いや違うけど」
「そっか、時計狂ってるんですね。俺、あとで修理に行ってきます」
「俺の扱い雑すぎない……?」
「ごめんごめん、うそうそ」
敬語も雑に使うように生意気に育ってしまった(ただしクレッセントでは年上に敬語を使うほうが珍しいので十分すぎるほどに礼儀正しい)マンネだが、笑顔のホジュンほど可愛いものはない。そう思って頷くユノはただの兄馬鹿だ。
「アメリカーノ、1杯もらってもいい?」
「アメリカーノ? ユノヒョンが? あ、リアムヒョンの分か」
「うん、そろそろ起きる頃だと思うから」
「おー、優しい」
「ありがとう、いつもの塩なホジュンも好きだけど、褒めてくれるホジュンも大好き」
「前言撤回、きもいですユノヒョン、早く自室に葬られて」
ユノは昔はかわいかった今もかわいいマンネに激しく罵倒されながら、前にスホが淹れておいたストックのアメリカーノを受け取る。甘い物が好きなユノには、苦い物をわざわざ飲むというのは正直よく意味がわからない。だけど、手強いルームメイトを起こすには、こいつの力が必要なのだ。心の中に闘志と使命感を燃やしながら、ユノは自室へ向かった。
最初のコメントを投稿しよう!