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Act 2 : 恋の始まり?
……何も変わらない。
いや、ありがたいんだけど。全然そのままでいいんだけど。
かなり身構えていたユノにとっては、正直拍子抜けだった。
あの後はメンバー全員でダンスの練習に行き、休憩だったりのときには当たり前のようにくっついてきたりした。けれど、それは完全にいつも通り。その次の日はスホとの曲作業をしていたが、謎に押しかけてきてユノの好物のキャラメルを置いていってくれた。しかし、ジュウォンが突然やって来てキャラメルを置いていくのもいつも通り。
会社から2人宛に、BL営業に関してのより詳しい指示が届いていたけれど、その後さえ何もない。
そして、ユノが考えた結果、次に何かあるなら絶対にここだろうと踏んでいた、毎週金曜日夜9時にCRESCENTの公式YouTubeから出るリアリティコンテンツ、「Crescent Night」の収録。
……本当に、何もない。
一番考えやすい原因は、元々かなり距離が近いから、ということだ。BL営業の指示が出る前からもユノたち2人のことをカップルのように考える海外のプルムンは結構な数いるし、つまりそう勘違いするほどに2人は絡みが多い、ということなのだろう。けれど、会社がそのままでいいと思うのなら、BL営業なんて呼びかけず、自然体でいるのに越したことはないはず。それなのにわざわざそれを指示するということは、より絡みを増やし、より甘々な雰囲気を作らなくてはいけない、ということではないだろうか。
与えられた仕事はきちんとやるべきなのでは?
基本的に真面目なユノは、いつ呼び出しなんかを食らうのではと正直ひやひやしている。
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