Act 2 : 恋の始まり?

5/12
前へ
/43ページ
次へ
 ユノにとって、今回以上にきつい収録はなかった。  まず、アトラクションというのがすごい。  ぐらぐらの橋をロープを頼りにし進むようなもの、ジャングルジムのように入り組んだ中を進むもの、遊園地のミラーハウスのようなもの、風船でできていて進むだけでどんどん体力がなくなるもの。  しかも、どうやら撮影陣はさすがにユノの体力と運動神経を舐めすぎていたようで、カメラ監督の中では最も年齢が高く、運動が苦手な人を寄越してきていたので、カメラ監督とは早々に離れ離れになってしまった。 「1人になっちゃったんだけど……」  何かを呟いても、返ってくるのは反響した自分の声ばかり。なんだか猛烈に孤独を感じたユノは、少し、心が折れそうになっていた。  メンバーは何人ゴールしたのか。ゴールしていないならどの辺りにいるのか。そもそも自分はどの辺りまで行っているのか。わかることなんて全然ない。あるとすればそれは今「自分が孤独だ」ということだけだった。
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

47人が本棚に入れています
本棚に追加