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「二人はさ……、”BL営業”、本当にやる気、あるの?」
呆れた顔でそう言うのは、しばらくぶりに会う第一本部長。
「もちろんですよ」
本部長の顔もまともに見ず適当に答えるジュウォンに、ユノはヒヤヒヤしてしまう。
「も、もちろんです」
慌ててユノも頷くが、本部長の顔は晴れない。
「……二人は恋したことある?」
少しの沈黙の後、本部長が唐突に質問した。
「まあ人並みですかね」
ジュウォンの答えに、本部長はぐっと顔をしかめる。
「そうだ、そんな温度感だからだ」
「……何が、ですか?」
ユノが恐る恐る聞くと、本部長ははっきりと言った。
「二人からは、恋のときめきが全く感じられない」
恋の、ときめき。
そんな、普段作詞でも使わないような、ユノにとっては縁遠い言葉の並びに、ユノは軽く頬が引きつるのを感じた。
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