Act 3 : ヒョンと恋愛、なんて

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*** 「それじゃあ、とりあえずこんな感じ。聞きたいこととかある?」  ユノが事務所に入社したての頃。ユノにとって初めてのダンスレッスン後のことだった。その時ダンスの先生は、事務所の中でダンスが最も上手なジュウォンに、苦手な子や入ったばかりの子に教える役割を任せていた。 「ヒョン! さっきのここの振りもう一回教えてください!」 「ちょっとやってみて。あー…えっとね、そこが少し違うかな。もう少し腕をゆっくり動かして、たっ、っていう音でくっと止めるイメージでやってみて」  清潔感を感じさせる、黒いさらさらの髪。  すらりとした背格好、驚異的に長い足、無駄なくしっかりついた筋肉。  そして、そこそこのイケメン・美少女なら見慣れている練習生たちでさえも二度見するほどの、一際整った顔。  見た目だけではなく、確かな実力も持っている。  それに加えて、穏やかな笑顔と柔らかい物腰、そして優しい言葉。ジュウォンは練習生の中で、「練習室の王子様」と呼ばれていた。 「そういうことだよ、上手いじゃん。これならどんどん上手くなると思うよ」  トレーナーからの評価も、軒並み「扱いに困らない」「優等生」「他の練習生の面倒を見ても文句一つ言わないし、自分の課題もしっかりとやり遂げるよく出来た子」と、良い評価ばかりだった。
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