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……え?
俯いて悩んでいたユノは、ぎぎぎっと首を回し、信じられない、という顔でジュウォンを見つめた。
「ヒョン、BL営業だよ? 俺と恋人のフリするってことだよ? できる?」
「別にお前ならいいけど」
「ちょっと待って、何言ってんの?」
わめいてるユノを横目に、本部長は心の底から安心した顔でヒョンの手をがっしりと握った。
「ありがとう〜本当にありがとう!」
「いやあの、本部長、俺の意見は無視ですか?」
「え、ユノは嫌なの?」
「いや別に嫌ではないんですけど……」
ユノだって嫌な訳ではない。それでプルムンが喜ぶことになるなら、そっちのほうがいいのかもしれない。というか、はっきり「付き合ってます!」って言うわけじゃないなら、別に騙してもいないのか……? まあとにかく、ジュウォンがいいなら、ユノ一人で意地を張る理由もない。
「じゃあ……やります……」
「本当にありがとうね二人とも!これで絶対!君たちの人気は上がる!」
果たしてどうだろうか。
“演技派”なユノは、上手に不満と複雑な感情を飲み込んで、苦笑しながら会社を出た。
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