Act 1 : BL営業、開始

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 会社の外で待っていてくれたマネージャーの車に、二人で順に乗り込む。  ドアをバタン、と閉めたジュウォンは、ため息混じりに呟いた。 「まあ割と勘は当たってたな」 「え、面倒事だって思うならなんで受けたの」  ユノがいつものテンションでツッコむと、なぜかジュウォンは、ややバツが悪そうに目をそらした。 「……その、もっと厄介なことなのかなって思ったから、気が抜けてつい言っちゃったんだよ」  随分と下手な言い訳。  けれどユノは、それ以上は聞かないでおいた。何かあるならどうせいつかは言ってくれるだろう。 「へえ? 別にいいけど」  それにしても。 「なんとなく後戻りできない感がある、承諾するの早まった気しない? 一回持ち帰ってスホヒョンと相談とかしても良かったのかも」 「まあそれはそうだな、あの人決まったら行動早いし。もう今頃会議とか開いて、お偉いさん方は知ってるんじゃない?」 「うわー……やっぱり早まったよ俺たち」 「大丈夫、これまでと大して変わんないって」 「そうかな?」 「急にやりすぎたら不自然だろ、なに、カメラの前でキスでもしてみる?」  ジュウォンがそう言ったとき、突然、マネージャーが咳き込んだ。 「ちょっとヒョン、大丈夫ですか!?」 「ごめ、ごほっ、キスってなに、どういうこと?」 「本部長の要件、俺らにBL営業を頼むことだったんですよ」  マネージャーの顔を、鼻血が伝った。
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