10人が本棚に入れています
本棚に追加
鬼神村の言い伝え
昔、霧襲村の霧の深い山に住まう“鬼神”が人の命を貪り食った。
人々は慌てふためき、人ならざる怪異に恐怖を覚えた。
これはいけない、と声を挙げた者は一つの提案を受ける。
“村の者を食わぬ代わりに
十年に一度、若い生娘を贄として捧げろ”
鬼神曰く、手付かずの生娘は他のどんな人間よりも美味しいらしい。
そんな鬼神は神社に祀られ、その神社は鬼神神社と呼ばれるようになった。
生贄が増えるたびに、血のように赤い狐花を植えていた。
それからというもの、毎年同じ頃に祭りが開かれて何人もの娘が犠牲となった。
そして時は過ぎて__
最初のコメントを投稿しよう!