鬼神村の言い伝え

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鬼神村の言い伝え

昔、霧襲村(きりがさねむら)の霧の深い山に住まう“鬼神”が人の命を貪り食った。 人々は慌てふためき、人ならざる怪異に恐怖を覚えた。 これはいけない、と声を挙げた者は一つの提案を受ける。 “村の者を食わぬ代わりに 十年に一度、若い生娘を贄として捧げろ” 鬼神曰く、手付かずの生娘は他のどんな人間よりも美味しいらしい。 そんな鬼神は神社に祀られ、その神社は鬼神神社と呼ばれるようになった。 生贄が増えるたびに、血のように赤い狐花を植えていた。 それからというもの、毎年同じ頃に祭りが開かれて何人もの娘が犠牲となった。 そして時は過ぎて__
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