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春なのに、まだまだ寒い日が続きます。 寒くても、私は外でお仕事をしています。 正直、辛いと思うこともたくさんあります。 けれど、外でのお仕事も慣れてくると、とってもいいものです。 部屋の中では知り得なかったことを、たくさん知ることができるからです。 暖かい春の日差しを浴びて、私の周りでは雪が解け、地面が見えてきます。 今まで眠っていた生き物たちが、目を覚まして動き回ります。 外の様子は、毎日毎日変化していきます。 部屋の中にいたときは、私はそんなこと、まったく気づいていませんでした。 今では、自然の中で働くことに喜びを感じるようになりました。 とは言っても、外でのお仕事はいいことばかりではありません。 雨の日は、仕事がはかどりません。 私がどんなに頑張っても、ほんのちょっとしか作れないのです。 私は、自分の無力さに落ち込みました。 すると、先輩は優しく、こう言ってくれました。 「ずっと同じ、ってことはないですよ。何事も変わり続ける。昨日できたことが、今日はできないかもしれません。みんな、うまくできる時と、そうでない時があるのです。そして、それが普通なのですよ」 先輩はいつも、私を励ましてくれます。 私の仕事がうまくいかなくても、決して叱ったりはしません。 私が頑張っていることを、分かってくれているのです。 だから、私は先輩のことが大好きです。
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