始まりの事件

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「ならよ〜し!」 「うっ...死ぬかと思った...」 「あはは、灯さんの締め付ける力は...強いですからね...」 「そして、譜」 「あ、は、はい」 「君には、もう1人の存在の姿が近くにいるように見える」 「え...?」 「君は、自覚しているのか?」 「いやいや、なんのことです?僕は僕ですよ?」 「ん〜?牧くん、何が聞きたいのぉ〜?」 「つまり、譜の近くに、なにか、別の人のような気配がする」 「...あー、なるほど...」 「あれぇ〜?譜くん...どうしたのぉ〜?」 「いえ、なんでもありません...」 「...ところで、灯」 「ん〜?」 「君は、登校する時に、テレポート...したよね...?」 「ん〜?そうだっけ〜?」 「その反応は、記憶抹消済みですね?!」 「なんで譜くんが驚くのかなぁ〜?」 「...ま、まぁ、いいか...」 「ところで、体調は大丈夫そ〜?」 「あぁ、大丈夫だ」 「そっかぁ〜」 「灯、ありがとうな」 「どういたしましてぇ〜」 「あっ...ところで...」 「ん〜?そうだねぇ〜、牧くんまさか放課後まで寝てるとはねぇ〜」 「あぁ、やっぱりか...」 「牧くん、自分の目が何かあるって言ってたよねぇ〜」 「僕は...目に力があるんだよ、簡単に言えば【真実を見る目】かな」 「へぇ〜、【真実を見る目】かぁ〜」 「不思議...ですね、それは」 「あぁ、これで、色々な問題を解決してた時期もあった...」 「そうなのぉ〜?」 「ただ、見たくないものまで見てしまうことに気がついてね」 「...そう、なんですか...」 「さっきみたいに、これは見たら行けないんだろうってものまで見てしまう」 「なぁるほどねぇ〜」 「僕は...この能力を持って生まれてきてしまった、そのことに対しては、後悔しかない」 「ん〜...」 「あ、そろそろ帰らなきゃ、だよな?」 「ん〜?そうだねぇ〜」 「灯さん、送ってあげたらどうです?」 「譜くんは〜?」 「僕は自力で帰れます」 「そっかぁ〜」 「え?」 「じゃ、牧くん、ちょっと失礼するね〜」 「うぉっ...なんか、デジャヴを感じるぞ?!」 「んふふ〜、気のせい気のせい」 「灯さん、また明日」 「譜くん、また明日ねぇ〜」 「は?ちょっ...は?」 「いっくよぉ〜、【テレポート】」 「やっぱ、気のせいじゃないよなぁ?!」
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