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始まりの事件
ジリリリン♪ジリリリン♪
「んんっ...ふぁぁ...もう、朝か...」
「牧ー、起きなさーい!いつまで引きこもるつもりなの?!」
(学校...か...正直...行きたくは...)
「わかってるよ、母さん」
「全く...あんたはいつもいつも...」
(あぁ、まただよ、うるさい小言がまた始まった...母さんの言いたいことは全部「この目」で分かってるのに...)
「母さん、それよりそんなことしてたら仕事に遅れちゃうんじゃないの...?」
「は?何を言って...って、やだ!ほんとじゃない!牧!ちゃんと学校に行くのよ!あなた寮生活のはずなのに家にいるのがおかしいんだからね?!」
「はーい、母さん行ってらっしゃい、あと...行ってきます」
「行ってらっしゃい、元気でやりなさいよ」
-通学路-
(...あれが、僕が通う学校...)
「意外と、大きいな」
(入学式もすっぽかして、不登校のままでいたのによく退学にしなかったな、ここの学園長)
「おまけに...この制服と、学生証含めた学校での必需品...なんで僕の家の住所知ってんだここの学園長...」
(そう、さっきも言った通り、制服や学生証含めた学校での必需品を全部僕の家に送ってきたのだ...住所を知らないはずの学園長が)
「ほんとに、世の中不思議な事もあるもんだな...って、僕が言ったらダメか...」
「ん〜?あれれぇ?初めましてかなぁ?」
唐突に、呑気な声が聞こえてきた。
「うわっ...!!!?」
「あはは、ごめんねぇ?驚かせちゃったぁ?」
「い、いや、えっと...」
「あ〜、自己紹介しないとねぇ〜、僕は日向灯だよぉ〜」
「あ、あぁ、よろしく...」
「君の名前はぁ〜?」
「えっと...作埜牧...です」
「そっか〜、牧くん、敬語はいらないよぉ〜、クラスメイトだからねぇ〜」
「あ、あぁ、わかった...」
「あ〜、遅れちゃう〜」
「え、あっ...」
「んふふ〜、ちょっと失礼しま〜す」
「は?え?ちょっ...何をしてっ...」
「暴れないのぉ〜、【テレポート】っ...!!!」
「は??ちょっと...」
「よいしょっとぉ〜ついたよぉ〜」
「え?は?は???ほ、ほんとについた...」
「牧くんもA組でしょぉ〜?」
「あ、あぁ、だけど...」
「ほらほら〜、入ろ〜」
「うわっ、ちょっ...押すな...」
「んふふ〜、じゃ、自分から入りなよぉ〜」
「わ、わかった、わかったから...」
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