「良い人」になりたいんだ

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「良い人」になりたいのは本気で。 なりたいからこそ演じるのだ。 それは偽善や八方美人と言われても仕方ないものかもしれない。 それでも私は演じ続ける。 人間は完璧ではない。 純粋に清らかなだけではいられない。  そんなのは幻想に過ぎない。 分かっていても願うのだ。 心の美しさを。 器の外だけではだめだ。中を磨かなければ。 でも磨き方が分からないから、私のイメージする「良い人」に近付こうと足掻くしかないのだ。演じるしかないのだ。 それは時にとても窮屈で。 なんのためにそこまでするのか分からなくなることも。 油断すると、自分という恐ろしい生き物が薄い皮を破って出てきそうだ。 こんなに悍ましいものを飼っているなんて知られたくない。 私はただ。 「良い人」で「清く」ありたいのに。 混じり気のない、罪のない人間になることはこんなにも難しいものなのだろうか。 私の願いはどこか間違っているのだろうか。 分からない。 それでも私は演じ続ける。 いつか演じなくても「清く」「良い人」になれる日を夢見て。
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