第四章・ー提案とは名ばかりの脅し文句ー

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「う……む……」  容赦のない突っ込みに、とうとう言葉を失い再び俯くアンダーテイカーを見ていたシェイカーが、仕方なさそうに長い息を吐く。 「オフィーリア、あんまり責めないでやって。これでも反省はしているんだよ」  だが、そんな生易しい仲裁も、オフィーリアには通じない。 「そもそもの話。謝る相手が(ちゃ)うやろっちゅう事やねん。俺やのうて、トウジとアニーに謝れや」 「……あ、アニーには、謝った」 「トウジには?」 「まだ、逢えていないからな……」 「は? 自分にかて瞬間移動出来る“昏きもの”の知り合いおるやろ。何やったらシュバリエ使ってでも逢いにこいや。そんなんやからあかんねん、自分」 「……これは相当怒っているな……」  ひたすら逃げ道を塞いでいく責め方をするオフィーリアを横目に、シェイカーがそれだけ呟くとしばらく考える仕草を見せる。  このままでは埒が明かないと考えたのか、オフィーリア達が見守る中でもずっと考えていたのだが、ようやくの事で顔を上げると軽快に手を叩いた。 「取り敢えずさ、オフィーリアを俺達が庇いたいんだから、とてつもなく越えられない壁である部長を何とかしようよ」 「……」 「……」  到底敵わない相手に一体どうしろというのか、とばかりにオフィーリアは睨み、アンダーテイカーが訝しげな表情を浮かべるばかりだ。  そんな風に会話を続けている内に、段々と声のトーンが高くなっているのを、気付かずにいてしまっていたようだ。 「コーラルブルー、貴様、一体何をしている?」  オフィーリアが独断行為をしているのに気付いたのか、いつの間にかジョシュアが背後まできて声をかけてきたのだ。 「あ! は、はい! えーと、その……」  すぐさま立ち上がり、応えようとするのだが、どうにも会話の内容は伝え辛い。
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