ただ、強く抱きしめて

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ゲーセンに立ち寄った後、ファミレスでお疲れ様会と称して昼メシを食べながらグダグダ過ごし夕方頃に店を出た。 帰宅途中、突然の通り雨に襲われた為、そこから近かった俺の家に急遽避難。通り雨ならすぐ止むだろうからと、一旦は様子を見ることに。 玄関にいるのもあれだから、俺の部屋に招いた。 「いわちゃん、急にごめんね?」 「全然。てか、むしろ申し訳ない。。お金、やっぱり払うよ」 自分のベッドの上に置いた猫のぬいぐるみをチラッと見る。 想像通りの手触りに俺は大満足だった。 「だからいいって言ったでしょ?クレーンゲームはやるのが楽しいだけだから。いわちゃんが喜んでくれて嬉しいなぁ」 なんて返したらいいか分からず、とりあえず冷蔵庫から持ってきたペットボトルに入ったお茶を差し出す。 そのペットボトルを受け取りながらもニコニコした笑顔を向けてくる黒川から目を逸らしつつ、ベッドを背もたれにして小さいテーブルの間に座る。 黒川が小さなテーブルに片肘を付きながら顔を傾けて俺を見る。 「やっぱり、いわちゃん可愛いよね」 「...あ?喧嘩売ってんの?」 喧嘩売ってるとしか思えない、いつものニコニコ顔で俺に言ってくる黒川を見て言い返すが、すぐによく分からない返しが来る。 「褒めてんの。元々かわいいのに、さらに猫ちゃんのぬいぐるみが好きだなんて、かわいいが増し増しだよね」 いよいよ本格的に意味がわからないので、無視を決め込むことにする。俺を見て"かわいい"なんて言ってくるやつは後にも先にもこいつしかいない。 「いわちゃんもっと学校でも笑うと良いよ。せっかく可愛いんだから」 別に俺、今も笑ってないけど? そう突っ込もうと黒川の方へ視線を移したそのとき、突然強い光が俺の目に飛び込んで来た。
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