思惑

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思惑

 「ねぇ聖ちゃんもう帰るの?」  「うるせえな。余計なことほざくんじゃねぇよ。 用があるから帰るんだ。1回寝ただけで、うるせえぞ」  「ごめんなさい。わかったわ」  「用がある時はこちらから電話するからよ」  聖夜はそれだけ言うとバタンと玄関のドアを閉めた。  聖夜は肌を重ねる事で、少しは心の渇きが潤うかと思った。  しかし聖夜の心は多数の女を抱いても満たされる事は無かった。  聖夜にとって女は欲望の捌け口でしか無かった。  さっきの女は行き当たりばったりで知り合った女だ。
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