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「ふん。
見えるわね。
ペテン師に」
山本瑠璃の後ろに立っている、ブルーのスーツの女が言った。
聖夜は視線をあげて女を見た。
聖夜が瑠璃の前に声をかけたハーフ系の女だった。
「君!
人の話に急に割り込んできて失礼じゃないか!」
ハーフ系の女にいちはやく反応した皆本孝が言った。
「良いんだ。
こんな馬鹿女には言わせておけば」
聖夜が孝の肩をトントンと叩いた。
「でも、兄貴……」
「ほーら。
社長が副社長に兄貴って呼ぶ訳無いでしょう。
化けの皮が剥がれたわね」
鼻先に薄ら笑いを浮かべながら女が言った。
「兄貴、まさか兄貴の女?」
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