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交差点の中程で聖夜は、歩を緩めた。
ハーフ系の女は左に曲がった。
聖夜は少し急ぎ足で、その女に近付き横に並んだ。
11月上旬の雨の匂いを含んだ冷たい風が吹いて来る。
その時、風に揺れた女の髪からシャンプーの香りがした。
聖夜は、フゥーと深呼吸してから、ハーフ系の女に話かけた。
「すみません。ちょっと宜しいでしょうか?」
「何ですか?」
ハーフ系の女は胡散臭そうな眼で聖夜を見た。
「ねぇあなた、どこかのプロダクションに所属していますか?」
聖夜は、特上の笑顔を振り撒きながら呟いた。
女は驚いて聖夜をまじまじと見詰めた。
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