思惑

30/60
前へ
/60ページ
次へ
 瑠璃はきっちりと20分後に到着した。  「お持たせ」  「最近、時間にルーズな女子が多いけど瑠璃ちゃんは違うな。尊敬するよ」  「待ち合わせに遅刻しないと言うのは、当たり前の事よね。でもルーズな人が私の知人でも多いわ。今日は何のイベント?」  「ライムって知ってる?」  「知ってるわ。韓国の女子7人ユニットよ。私はファンよ」  「それは良かった。コスモ企画での新人は瑠璃ちゃんが第1号になるから、頑張ってね」  「えっ、私が1号なの? 冗談でしょう?」  「冗談では無いよ」  「あの、私が1号ではコスモ企画は潰れますよ。私なんて素人だし、それに知名度ゼロだから……」  「その点は、大丈夫だよ。 しっかりとレッスンするし、最初はグループに入って貰うから」  「あのぅ話が全然、見えないんですけど……」  「その話は後でね。さあ早く入ろう」  聖夜は帽子とマスクを瑠璃に渡した。  聖夜と瑠璃はマスクと帽子を装着して店内に入った。  前方に巨大スクリーンがあり、舞台にはオーケストラ。  その前に、スラリと惜しげもなく脚を披露しているセクシーホットパンツの7人のメンバー。  「す、凄い! 本物だ」  瑠璃がびっくりしたような声を発した。
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4459人が本棚に入れています
本棚に追加