思惑

37/60
前へ
/60ページ
次へ
 「えっ、あたしがメンバーに……」  瑠璃が驚きの表情で言った。  「そうだよ。瑠璃は身体のキレが良いからな」  「ウーン、それだけが取り柄かな」  瑠璃が苦笑いする。  「瑠美さんのボディガードの謙二さん。先ほどの香港マフィアが、すんなり退却するとは思えない。リンと瑠璃さんを謙二さんの助っ人につけましょうか」  「リンさんのファンとしては、それは嬉しい提案だが、もし香港マフィアが襲って来たら彼女らを守れる自信がない」  「ウーン、分かった。でもな、彼女らの実力を過小評価していないか。リンよ、謙二さんと手合わせしてみろ。手加減しろよ」  「分かったわ。あたしは右手を封印して左手で闘うわ」  「ちょっと待ってよ」  瑠美が横槍を挟んだ。
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4454人が本棚に入れています
本棚に追加