思惑

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 「チェッ、空振りか」  聖夜は舌打ちをした。  踵(きびす)を返して数歩、歩いていると前方から歩いて来る女性が目に留まった。  彼女はスマホで話ながら歩いて来る。  笑うとエクボができる可愛い女の子だ。  聖夜はニタリと笑った。  聖夜はスマホを取り出し右耳に充てた。  そして前方から話ながら歩いて来る彼女に、気付かない振りをして衝突した。  「オットトト、危ない!」 と、聖夜は倒れそうになる女の子を支えた。  「あぁ、ご免なさい……」  女の子は恐縮しまくっていた。
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