鏡の次は?

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鏡の次は?

 今度は一体何処だ?   ここは…一体何処なんだ!!  またカーテンを通ったら別の場所に飛ばされた…。  今度は顔の目の前に壁? いや木の板が見える。  体の向きを変えると、また壁の様な板が見える。ただ自分が向きを変えても、最初の様に姿勢を戻しても、どうやらこの板側に身体が接触する。    重力の向きが自分の背中側ある、つまり今度は自分は床にもたれている姿勢でこの場所に飛ばされたってことになる。  鏡の次は床って……  それより一つ分かった。どうやら僕が無意識に身につけた特殊能力と言うべきか、自身にだけ自動で起こり得るイベントなのかは分からないが?  カーテンを開けると、別の場所に転送されるらしい。 (まだ、確信を持てた訳じゃないけど……)  しかし床と板の間って、一体どんな場所にいるのだろう?  そう考えを巡らせていたら、上の板側の方から物音がする。気のせいだろうか? 少しギシッギシッと軋む音がした。  もう一度耳を澄ますと、今度は何か声が聴こえてきた!!  眼を閉じてその音に集中する、『カトリーナ、ンニャムニャ……』寝言だろうか? と言うことは、僕は誰かが寝ているベッドの下に居るということになる。  ん?  カトリーナ…… (何処かで聞いたような?)  はっ! それってさっきの彼女の名前と同じじゃ!?  危ない危ない、彼女の名前を聞いて思わず起き上がろうと顔を上げかけた。多分誰かのベッドの下なのだろう、幸い上の空間に余裕が有り、頭をぶつけずに済んだ。    庶民ではこの様な大きなベッドでは眠れないだろう、恐らく貴族なのだろうか?  そおっと向きを変え、横ばいになりながらベットの下から這い出ると、 空には先程見た月が出ていた。  彼女の家からこの場所に飛ばされて、時間はあまり経過していないらしい。    部屋は何かの灯りで程よく照らされており、真っ暗では無かった。ちょうど蝋燭の炎のような淡い光で、部屋は優しく満たされていた……
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