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カーテンの向こう側は
カーテンがゲートだ何て聞いたことがない。そのまま歩いてステージへ行くと思って居たのに、少し段差が有る感じで、ストンッて落ちた訳じゃないけど、ふんわりとこの世界に降り立った。
最初に降りた場所は最悪だった。
何かのオークションが行われている場所だと思われる。急に自分がそのステージに現れたので皆騒然としていた。
最初は何事か驚いていたが、すぐに『オオオオオオ!』と言う感嘆の声がすると物凄い拍手へと変わっていった。
そして直ぐにステージと反対の客席側からは、数字の羅列が飛び交い始めた。
僕のすぐ横にいる人物も、気を取り直したのか? 勝手に売買を再開し始めた。冗談じゃ無い、飛ばされたと思ったら、いきなり売られるのか?
しかも多分また人為的にでは有るが、飛ばされるに違いない……
しかもみんな仮面を被って居て、表情が見えない、どんな人間でどんな集まりなのかも怪しい。
特にさっきから物凄い勢いで数字を上乗せしだしたあのデブ、多分この格好だから僕の事を女の子と勘違いしているのか? 舌舐めずりが激しくいまにも吐きそうだ。
もし……落札されたら正体を知られたら、殺されるに違いない。
だって、自分は男なんだから……
服をはぎとられた後、奴は詐欺だと発狂するに違いない。男でも喜ぶデブだったら自分の操はつんだかもしれない。そんな趣味は無いのに、一瞬自分とあのデブのベッドシーンが浮かんでしまった。
ヤバイ!! 想像するだけでまた吐き気を催して来た。
どうせ買われるなら、あのハの字の形をした髭の男か、スマートな体格の彼だと有難い。女の人の場合であれば、身の危険…特にXXXな事は無いにせよ、身バレしたら何と言い訳すれば良いか分からないし、自分より大人の女性とか、どう話せば良いのかも分からない?
そもそもあまり女の子に対してこう言っちゃ何だが免疫が無いのだ。
高校二年生にもなって恥ずかしい限りである。
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