天使のアイテム?

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天使のアイテム?

「天使様、お逢い出来き光栄ですわ、まさか願いが叶うだなんて夢をみてるみたいですわ!」 「いえ……僕は天使じゃ……ない……の」 「えっ!? 申し訳ありません、お声が小さくて聴き取る事が出来なかったのですが……」 「いえ、こっちの話なので、気にしないで」 「そうですか、それで……あのぉ……」  彼女は顔を赤らめモジモジしだしたが、寧ろこちらの方が恥ずかしくて仕方なかった。  僕はずっと男の姿でこの世界に飛ばされたと思っていたのだ。しかし実際は鏡に映るもう一人の女の子が、それがいま、自分なのだと言うことに気付いてしまい、顔から首筋にかけて沸騰した状態だ!!    さきほど鏡を見る度に物凄い可愛いとか、この子と仲良くなれたらとか、僕は自分を見て言ってたのだから(汗)    もう一度チラッと鏡を見る、間違いないこの美少女は僕自身だ。  しかし本当に可愛い、睫毛が長く、顔が小さくて唇が小さい。左右対称のシンメトリーで、少し左右の瞳の大きさが異なるのが更なる魅力を引き出していた。    僕は物凄く彼女(女の子の自分)に引き込まれていった。  ……金髪の彼女から声が掛かるまで、視線を外すことが出来なかった程に。 「あのぉーー天使様?」 「えっ! 僕? じゃ無かった、ワタシッ?」 「ハイ、そうです天使様」 「あっ、ごめんなさい、何かいい掛けてたのに……」 「いえ、こちらこそ、忙しいのに天界からワザワザお越しいただいて有り難う御座います」  彼女のキラキラ揺れる瞳を見ると、自分が同じ人間だ何て言うことが出来なかった。嘘でも良いから、天使の振りをすることに決めた。  そして彼女の話を聴くと内容はこうだった。  彼女の名は、        "カトリーナ・フォン・ゼアフォード"  今度、国王主催のダンスパーティーが有り、そこで子爵の令嬢としてパーティに参加するのだが、そこで意中の公爵の子息であるアイゼンハルト卿とうまく行くことを願い、と或る占いの本を入手した。  そこには、天使様が来るように祈り、もし降臨されたら、天使様が持つ何かアイテムを一つ貰うことで、願いが叶うと言うものだった。                         ……アイテム?           
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