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孔が開き、目尻が下がる。
それによって目が大きくなったように見える。
瞳に水気も帯びてくる。
その水を、電灯の光が反射させている。
普段は横長の目を大きく丸くキラキラさせながら、彼女は僕を見ていた。
彼女の中に入りながら、僕は上から彼女を見ている。
変化した彼女の目を、僕は美しいと思った。
初めて真珠を見た人類が、その美しさに磨きをかけたいと思ったように、
僕も彼女の目をさらに美したいと思った。
痛くない?と訊ねると、痛くないと彼女は言った。
それを合図に一番奥まで入っていく。
さっきまで堅く閉じられていた口が開き、ああっと短く空気を吐き出した。
僕が中で動くと、彼女の目はさらに美しくなった。
もっと大きく、もっと丸く、もっとキラキラさせたい。
その衝動だけで、僕は激しく動いていた。
気持ちいいと彼女は言った。
その目の美しさは最高潮に達している。
最後の仕上げに取り掛かる。
人類は真珠を貝から取り出し、そこに糸を通した。
真珠のネックレスの完成だ。
完成品は箱に仕舞われる。
僕らはその美しさを見ることができない。
寂しく思う。
またあの美しさを見たいと思う。
だから、僕らはまた真珠を磨き始める。
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