出:タイムカード

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「私はしょっちゅう考えます。別に死にたいわけじゃないんです。少ないけど友達もいるし、両親も大切にしてくれてるって思います、人を好きになって付き合ったり別れたりもしました。  私は私だから、他の人の事は推し量れません。だけど大人になるにつれて、私って他人より生きる事が当たり前じゃないんだって分かってきたんです。良い意味じゃないです。「いつも命の有り難みを」みたいな、そんなんじゃないです。全然。  キラキラした人を見ると羨ましくなる。だけど、私もそうなれるように頑張ったりはしないんです。仕事も自分磨きも、頑張ってもダメだったら余計傷つくから。「一度きりの人生」とか「何事も挑戦」とか、そういうことを言えるのは心のライフが3つくらいある人だけなんです。私には生まれた時から心のライフが1つしかなくて、それに私も気付いてるんです。一度深く傷付けば終わってしまうって、心のどこかで分かってるんです。  1日が、1年が、気がついたら過ぎていて、私って生きている意味あるのかなって思っちゃうんです。昨日の私は確かに生きていたのかなって、不安になるんです。今、この瞬間、私は生きているのかなって、分からなくなるんです」  静まり返ったオフィスで思う。終わったなぁ。引いているんだろうなぁ。どう声をかければ良いか考えてくれているんだろうか、申し訳ないな。  言い逃げも良くないけど、ここは私が退散するのがお互いのためだろうか。なんて考えていたら、宮野さんが出口の方へ向かって行った。流石の宮野さんもこうなるよなぁ。そりゃそうだ。誰も貴方を責めたりしないよ。  と思ったら、出口横の棚をなにやらガサゴソして彼はまた戻ってきた。
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