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「あのさ、皆に実は言ってないことがある。ヤバイ知らせだ」
「ヤバイ、知らせ!?」
帰り道、アイスを食べながら、言いだせなかったことを口にする。
「なに? ヤバイって、どんぐらい?」
聞く前から怯えるタケ。
「一昨日ほどはヤバくないだろうよ」
余裕ぶるレンレン。
水谷さんは、ワクワクした顔をしている。
元来彼女は、好奇心旺盛なのだろう。
「うちの父ちゃん、やっぱ金曜日に警備のオッチャンと、いつもの居酒屋で飲んでたって言っててさ」
「……、あれ?」
「それって……」
僕らが学校にいた時間帯、警備員さんは外で僕の父ちゃんと飲んでいたらしい。
じゃあ、僕らが見た、あれは!?
深夜に徘徊する死んだはずの警備員だったの!?
学校の七不思議を思い出した僕らが青ざめる横で。
「ねえ、もう一回確かめに行こう、行こうよ」
水谷さんだけが目をキラキラさせる。
「絶対、やだって」
「ええ、だって気になるよ~!!」
逃げ出した僕らを、笑顔で待ってよと追ってくる彼女を、どうやって説得しようかと苦笑しながら考える。
この夏、僕らのミッションはまだ終わりそうにない。
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