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『奪還するぞ!!』
塾の帰り、僕の宣言を聞いた二人は、最初から無理無理と首を振る。
『大体、どうやって取り返すってのさ、ショーちゃん』
『夜の学校に忍び込むんだよ!』
『いや、そりゃ無理だろ。だって警備のオッチャン、深夜までいるらしいし』
慎重派で怖がりなタケは、夜の学校と聞くだけで怯えてるし、面倒なことが嫌いなレンレンは呆れたように笑って肩をすくめた。
『金曜日の夜はいないらしいぞ?』
『まさか?』
『実際にはすぐに駆け付けられるように、学校の近くで飲んでいる。うちの父ちゃんが警備員さんと飲み友達らしくて、そう言ってた。あ、学校には内緒な、オッチャンがクビになったら困るから』
土日の見回りは校長先生がしているとも聞いた。
何かあればセキュリティ通報システムが作動して、オッチャンの携帯に連絡が入るらしいが。
『システムが作動するのは、無理やり窓を割って開けたり、職員室を開閉した時だけらしいんだよ。先生方は、そのセキュリティ解除を知っているらしいんだけど、残念ながら、うちの父ちゃんもその方法まではオッチャンからは聞けていない』
『そりゃ、そうでしょ……、ってだったら忍び込んだって無理じゃないの!? 職員室開けられないんじゃ!!」
意外に冷静なタケの分析に、僕は首を振ってニヤリと笑った。
『取り上げたのは片山先生、あの人は特別な部屋を与えられている。わかる?』
『生徒指導室!!』
声を揃えた二人に僕は頭の上でマルを作った。
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