僕らのミッション

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「ホントにヤるの? (ショー)ちゃん?」  ゴクンと生唾を飲み、顔面に『行きたくない、ヤりたくない』を貼り付け、少しばかり震えている武人(タケ)に舌打ちをした。  ここまで来て、ヤらないとかありえない。  僕と同じ黒づくめの服装をしたヤる気のない二人を睨みつける。 「本来なら、タケと蓮太郎(レンレン)のせいなんだからな? 二人で行くのが正解なのに僕まで来たんだぞ?」  僕の憤りを右耳から左耳に受け流したように、ふっと笑ったレンレンがベッと舌を出した。 「でも、ショータのソフトじゃん? だったら本人も行かないと」 「元はと言えば、レンレンが悪い! 授業中に広げるから」 「ねえ、二人ともケンカしないでよ」  タケの震えた声にため息をつき、夜の校舎を見上げた。  昼間とは違う、おどろおどろしい顔を覗かせる中学校に怯みかける。  怖い、僕だってめっちゃ怖いけど。  意を決して、二人より先に校門を登るための助走をする。 「行くぞ」 「あ、待ってよ、ショーちゃん!」 「タケ、後ろも気をつけろ?」 「ひゃあっ! そんなこと言わないでよ、レンレン」 「頼むから静かにしろよ、二人とも!」  先行きが不安な、夜の始まり。  僕らは今夜、学校に忍び込む。
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