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店頭に並んである林檎飴を店主が選んでいると、「オヤジ! 林檎飴の追加だ!」店主のうしろから若い男が林檎飴を二つ持って現れた。どうやら、林檎飴作りはうしろでやっているようだ。
「おっ! お兄さん達運がいいな!」
若い男から林檎飴を受け取る。
「出来立ての林檎飴だ。一番美味い時に買えて良かったな!」
「ありがとうございます!」
店主から林檎飴を貰い、風吹さんはとびきりの笑顔を見せた。
「んっ……可愛っ」
「あ゛っ?」
店主のうしろの方から不穏な言葉が聞こえ、若い男を静かに睨みつけた。
若い男はオレの睨みに気付き、慌てて林檎飴作りへ戻って行った。
店主へ林檎飴の料金を払い、店をあとにした。
嬉々として風吹さんは林檎飴を歩きながら食べた。
「美味しいか?」
食べるの必死でコクコクと首を縦に振った。
「そっか、良かった」
オレも林檎飴にかじりついた。
林檎飴を食べ終わる頃、風吹さんは次の出店に目を向けていた。何の出店かオレも目を向ける。
「金魚掬いか?」
金魚掬いをやっている人はおらず、店主が暇そうにあくびをしていた。
「俺、金魚掬いやった記憶がなくて」
「わかった、やってみようか」
風吹さんにどっちが多く金魚を釣れるか勝負を仕掛けてみたもも……。本当に金魚掬いをやったのは初めてなのか?
「わぁ! すげー!」
「おにぃさんたくさん釣ってる!」
「こっちの兄ちゃん、一匹も釣れてなーい!」
いつの間にかガヤまで増えてて、風吹さんの大量金魚に子供たちは興奮していた。
店主もさっきまで眠た気だったのに、風吹さんの金魚掬いで目が覚めたようだ。
「あ、兄ちゃん。そろそろやめにしねぇか?」
「え? ポイが破けたら終わりですよね? まだ破けてないですよ?」
たしかに風吹さんのポイは破けてはいない。
水に浸けているはずなのに不焼けているすらない。
風吹さんのポイだけ特殊な素材ではないのか? すら思えてしまう。
「そうだよ! まだ破けてないよ!」
「そうだ! そうだ!」
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