18 「相談事」

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凛はいとこの春翔に、幼い頃から恋心を抱いていた。 これだけの美形の凛は、学校でもたくさんの男子に告白されてはいても、恋人と呼ぶような男子は作ることは無かった。 春翔に彼女ができたと聞くと 穏やかではいられないが、身近すぎて 自分の想いを伝える事はできなかった。 進路の相談があると言って呼び出したのは凛の方だった。 凛も高3になる。 今、春翔には恋人は居ないらしい。 想いを告げる決意めいたものを抱き ここにやって来ていた。 「俺と同じ大学か?農学部?」 「うん、得意な事特別何も無いし、春くんと同じなら安心だし」 「でも、好きな事ないなら、つぶしの効く他の学部がいいんじゃない?」 「同じ大学の学部違い?」 「いや、大学ももっと選べるだろ?凛は成績良い子だしさ。勿体無いよ。俺は元々植物好きだし、じいちゃんも何気に後継者になって欲しい感じだし」 「春くん、継ぐの?」 「今は分からないけど、まぁ好きな事だしね」 春翔と凛の祖父は、ガーデニング会社を経営している。 凛の父は長男ではあったが、全く違うIT企業に就職した。 春翔の母は、桜井家に嫁いだが 夫は祖父の会社に出入りしていたゼネコンの社員だった。そこで今はガーデニング会社を、春翔の父親が継いでいる。 「凛は別に好きな大学行って、好きな事探せば良いよ。キャンパスいくつか見に行って決めれば。新しい友達も出来るだろうし、将来の事は4年間で見つければ良いんだから」 「そうだけど、私は春くんと一緒がいいんだもん」  「凛は幼稚園の時から同じ事言ってるよな」  (その幼稚園の時から、ずっと 春くんが好きなのに) 凛は心の中で呟いていた。
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