18 「相談事」

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凛はコーヒーフロートの バニラアイスと小豆を スプーンで混ぜながら言った。 「じゃあ、春くん」 「なに?」 「私の願い聞いてくれたら 他の大学とか考える」 「なに?どういう事?」 ストローでコーヒーを一口吸い込んだ凛。 「春くん。私の彼氏になって。 そうしたら他の大学でも良い」 豆鉄砲食らった顔って こんな顔なんだと思うくらい 驚いた顔で凛を見つめる春翔だった。 小声ではあっても、静かな店内に 凛の声は嫌でも耳に入ってしまう。 マスターも聞こえないふりをしていても、トマトをスライスしながら横目で凛達のテーブルに目を向けてしまう。 サンドイッチを注文した 小春は、意味もなく 近くにあったグリーンに手を伸ばしてみた。 春翔は微笑みながら 「なに冗談言ってんだよ。自分の人生なんだよ。もっと考えなきゃ」 その時凛の目からポロッと 滴るものが光る。 春翔は慌てるが、声も出なかった。 「そう、冗談。花粉症かな?目が痒くて涙出た。ここのカフェ、アレルギーの葉っぱあるのかな?」 ストローで一気飲みして凛は立ち上がる。 「凛」 春翔は凛の手を掴もうとしたが するりと抜けて 「ゴチでいいよね!じゃあね」 と言って店の出口へ走って行く凛だった。 立ち尽くす春翔。 マスターも小春も 目を合わせて黙っている。
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