18 「相談事」

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春翔は凛を追いかける事ができなかった。 追いかけたところで、真意を問うたところで、どうしていいかわからなかった。 そのまま席に着いてしまうと マスターが声かける。 「凛ちゃん、好意を持っているの わかってたんだろう?春翔くん」 「薄々は。でもいとこですし、妹みたいなもんだからそういう感情 僕は持てませんよ」 「良い子だけどね。難しいね」 マスターも答えた。 「それに僕、今好きな人いるんです」  春翔の言葉に マスターも小春も思わず春翔の顔を見た。 「片思いなんですけどね。告白も出来ませんが」 「あら、そうなの?春翔くんに想いを寄せてもらえるなんて、素敵ね」 小春が言うと マスターがサンドイッチを 置きながら 「へえ。春翔くんの好きな人ってどんな人?大学の後輩とか?」 「いえ、違うんですけど とてもチャーミングで、一緒にいると心安らぐん人なんです」 「じゃあ彼女にすればいいじゃない。告白しちゃえば?」 「いいえ、僕に勿体無いくらい素敵な方だし、僕が告白したところで受け入れてはもらえないと思います」 「それはちょっと悲しい片思いね」 つい小春も口を挟んだ。 「でもね。私も若い頃叶わぬ恋をしたけれど、いまだにその気持ちは消えないものよ。時期が来たら想いを告げられたらいいわね。後悔ない様に」 小春もまた千登勢の顔を思い出していた。
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