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ローズマリーから作る
「ハンガリーウォーター」と言うのがある。
これにはこんな逸話があった。
中世ヨーロッパ時代、ハンガリー王妃は70歳と高齢であったため、リウマチを患い治療のため使用していたハンガリーウォーターを気に入り体に塗ったり、そのまま飲んだりとして使用したところ、リウマチが治り、みるみる若返り、隣国の20代のポーランドの王子に求婚されたとの伝説がある。
「若返りの水」とも言われていた。
その話をしながら歩いているうち
小春の家の玄関先に着いた。
「そのハンガリーウォーターって、この鉢の葉でできるの?」
「ええ。ネットで検索するとレシピとか出てくるんじゃないですかね?」
「そう、今度探してみるわ。さぁ、着きました。送ってくだってありがとう」
「いえ、僕も束の間のデート楽しかったです」
「さっきのお嬢さん。凛さん?ちょっと心配ね。なるべく早く
連絡してあげた方がいいわ。
他人じゃないんだから、拗らせちゃダメですよ」
「はい。わかりました」
鉢を玄関に運んだ春翔に
小春は
「春翔くん、梅干しまだある?
良かったらまた、持っていく?」
「え?良いんですか?やったあ!」
「今度空き瓶、持って来てね。
いくらでも分けるから」
「はい。ありがとうございます。
僕の明日からはラッキー続きになりそうです」
「何?それ」
「梅はその日の難逃れです」
「あぁ、そういう事ね」
梅干しをいっぱい詰めた瓶を
自転車のカゴに入れて、走り出す春翔。
「よし、帰ったら凛に連絡しよう。
梅干し食べれば上手くいく気がする」
信号待ちで、カゴを見ながら
そう思った。
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