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その日は、部室で打ち合わせがあった。
凛はあの日以来、部活にも来なくなっていたが
卒業生を送る会があり、演劇部でも寸劇で送り出すことになっていた。
その為、久しぶりに全員顔を揃えた。
この日、珍しく千鳥の方から声をかけた。
「凛さん、変わったよね。なんか輝いてる」
「え?この前の進路指導の時
聞こえてたでしよ?振られたんだよ?私。なんで輝いてるのよ」
「あ、ごめん。聞こえちゃったから」
「ふふふ。ドリちゃんならみんなに言いふらすとかしないだろうと思って、気にせず話しちゃったよ」
「目標が定まってそこに向かう姿、なんかかっこいいなって思って」
「ドリちゃんはいい子だね。私もそうやって素直だったら振られなかったのかな?」
目を逸らす凛を見て、慌てた千鳥は
「ご、ごめんなさい!」
「いいんだよ。気にしないで」
「お勉強頑張ってね」
「ありがとう」
千鳥は少し凛との距離が
ここにきて縮まったと思った。
凛は早い段階から千鳥を
「ドリちゃん」とあだ名つけて呼んでくれていたが、あまりに世界が違っていて、自分から声をかけることもなかった。
これから卒業までに、少し仲良くなれるかな?と思いながら凛の綺麗な横顔を眺めていた。
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