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入学式には、入院していて
出席できなかった。
怪我は治ったとしても
趣味程度なら良いが
本気で野球を続けるのは
難しいと医者からも告げられた。
「バチが当たったんだ。
スポーツ推薦にしなかったのは
もし怪我でもしたらって
考えてしまったから……。
本気ならそんな事考えず
ひたすら野球をやる為に
入学するべきだった」
駿太郎はそんな思いを抱えながら
入学式1週間後に登校する事が出来た。
校庭の先の野球場では
野球部の練習も既に始まり
窓から聞こえるかけ声やバットに当たる球の音。
グローブやミットに球が収まる音。
自分がそこに居られない事に
居た堪れなくなる。
強豪校なので、当然昼休みも
野球場では練習をする部員たち。
いつしか昼休みも、弁当を食べた後は
机に突っ伏する駿太郎だった。
イヤホンで大きな声で音楽を聴いて
野球部の音をかき消していた。
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