29 「それぞれのその後」

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定休日に千草の自宅へ出向いた、2人。 笹内は門の前で言った。 「ほおーこれは立派な邸宅だねえ」 「思っていた以上でした」 愁もつぶやく。 「だよね。じゃあ」 呼び鈴を鳴らす笹内。 インターホンから千草の声が聞こえる。 「はーい。お待ちください」 出てきた千草と共に、早速庭と離れを案内され、母屋の応接室に通された。 笹内は「いやはや、立派な邸宅で驚きの連続でした」 「ありがとうございます。私もちょっと自慢の我が家なんです」 「この応接室も広くて本当に素敵ですよね。建具も調度品も全て。そう全て」 愁も褒めあげる。 「あははは、愁くん、ベタ褒めだね」 笹内も笑う。 「でも、本当に素晴らしい。ここで暮らす千草さんが羨ましいし、ここを残したい気持ちもすごくわかります」 一服する間も、愁は応接室をくまなく眺めていた。その後笹内と愁は厨房に案内された。 笹内は厨房を見て言った。 「元々専属の料理人が使っていただけあって、古いけど動線はいい感じだから、間取りは変えなくても良いですね。器具だけ新しくすれば問題ない。大幅なリフォームは必要無いですよ」 千草もそこは安心できると喜んだ。 「費用かかるかな?って思っていたけど、見てもらってよかったです。安心しました」 その後2人は米村家を後にした。
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