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定休日に千草の自宅へ出向いた、2人。
笹内は門の前で言った。
「ほおーこれは立派な邸宅だねえ」
「思っていた以上でした」
愁もつぶやく。
「だよね。じゃあ」
呼び鈴を鳴らす笹内。
インターホンから千草の声が聞こえる。
「はーい。お待ちください」
出てきた千草と共に、早速庭と離れを案内され、母屋の応接室に通された。
笹内は「いやはや、立派な邸宅で驚きの連続でした」
「ありがとうございます。私もちょっと自慢の我が家なんです」
「この応接室も広くて本当に素敵ですよね。建具も調度品も全て。そう全て」
愁も褒めあげる。
「あははは、愁くん、ベタ褒めだね」
笹内も笑う。
「でも、本当に素晴らしい。ここで暮らす千草さんが羨ましいし、ここを残したい気持ちもすごくわかります」
一服する間も、愁は応接室をくまなく眺めていた。その後笹内と愁は厨房に案内された。
笹内は厨房を見て言った。
「元々専属の料理人が使っていただけあって、古いけど動線はいい感じだから、間取りは変えなくても良いですね。器具だけ新しくすれば問題ない。大幅なリフォームは必要無いですよ」
千草もそこは安心できると喜んだ。
「費用かかるかな?って思っていたけど、見てもらってよかったです。安心しました」
その後2人は米村家を後にした。
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